体 歪み 原因

なぜ体は歪むのか?

体の歪みは、本人の気づかないうちに出来てしまうことがほとんどです。
「歪んでますよ」と言っても「本当ですか?何もしてないんですけど」なんて言われることがよくあります。

なぜ本人も知らないうちに歪んでしまうのか?どういった原因で歪んでしまうのか?実は歪みは様々な原因でつくられてしまいます。

歪みの原因は人それぞれ違います。ご自分の歪みの原因を見つけて、それに対してしっかり予防対策していくことが、健康で元気に過ごすためには大切なことなのです。

歪みの原因

体が歪むのには原因があります。
姿勢が悪い、同一作業が多い、事故などによる衝撃、また、体の使い方の癖や精神的ストレス、感情の変化、他にも内臓疾患、気候の変化などにより歪みます。

姿勢が悪いと体が歪む?

これは一見当たり前のようですが、実は、人間の体はどんな悪い姿勢をしていても、本来の弾力さえあれば歪まないのです。赤ちゃんを見て頂ければわかると思います。

しかし実際は、ほとんどの方の体は歪んでいます。

では、なぜ姿勢が悪いといけないのでしょうか?それは体が硬くなるからです。
体が硬く原因として、老化や一定姿勢などの要因があります。

そして体は、自然に動く以上の姿勢を取っていると、その悪い姿勢が本来の姿勢であると脳にインプットされてしまいます。

※自然に動く以上の姿勢とは
例えば、背中を丸めて座っている時、丸めたまま荷重(自重)がかかるので、普段体を曲げる範囲よりもずっと背中の筋肉は伸ばされ、お腹の筋肉は縮んでしまいます。
つまり悪い姿勢の過剰なストレッチをしているような状態です。

この脳にインプットされるという現象は、体を元に戻すという一瞬の動作の間に記憶されてしまいます。
これは、不自然な姿勢から体を元に戻す時に、体が防衛的に硬くなるからです。
この状態を脳がインプットしてしまうということなのです。

ではどうすればいいのか?それは、もし一定姿勢を取ってしまった場合には、なるべく力を抜いてゆっくり、ものすごくゆっくり元の姿勢に戻すようにすることで、歪みを防ぐことができます。

脳は刺激を繰り返すことで記憶が強固になります。(暗記と同じ)

ですから、悪い姿勢を毎日続けることで、自力では回復出来なくなってしまうほど強固な歪みを作ってしまうということになるのです。

同一作業で体が歪む?

これは動的なものなので、一定姿勢とは少し異なります。

同一作業では、常に同じ筋肉を使うことにより、ある筋肉だけが強くなってしまい体のバランスが悪くなり歪んでしまうという現象です。

この状態が長く続くと、普段の姿勢も作業の時の癖のまま過ごしますので、「姿勢が悪いと体が歪む?」の説明のように、不自然な姿勢のままの筋肉が硬くなり歪みを作ってしまいます。

では、他の筋肉も強くすれば良いのか?ということになりますが、その通りなんです。

一流のスポーツ選手は、自分のプレーに必要な筋肉だけでなく、プレーに直接関係のない筋肉(自分の弱い筋肉)もしっかり鍛えることで体のバランスを良くします。

そうする事でプレーにも余裕ができ、バランスの取れた良いプレーが可能になります。
最近では特に、体幹を鍛えるコアトレーニングがスポーツ選手の間でも注目されてきています。

そしてもう一つ大切な事は、同一作業の場合、作業が終了したら必ずストレッチや体操をすることが大切です。いわゆる整理体操です。
体が温かいうちにバランスを取ることで、体の歪みを予防することができます。

筋肉の緊張が、アンバランスのまま一定姿勢で体をクールダウンしてしまうと、歪みを作ってしまいます。

誰しも学生時代には、体育の時間の最後に整理体操をしていたと思います。
若いうちは、まだ体に弾力があるので、その効果を実感できずに整理体操をないがしろにしていた方も多いのではないでしょうか。
かく言う私もいいかげんにやっていましたが、実は非常に大事なことだったのです。

そういった背景もあるのか、準備体操はしっかりするのに整理体操は全くやらないという方が非常に多いようです。
準備体操は怪我をしないために大切なことですが、整理体操は体を壊さないために大切なことなのです。

衝撃で体が歪む?

衝撃では衝撃自体でできる歪みと、それをかばうためにできる歪み、そしてその歪みを代償する二次的な歪みがあります。

人間の体は衝撃を受けると、無意識に体をかばうため、筋肉にものすごい力を入れて体を守ります
いわゆる火事場の馬鹿力です。
そのものすごい力は、不自然な姿勢で体全体の筋肉を強く緊張させるので、歪みを作ってしまいます。

また、その歪みのままだと体のバランスが取りづらくなるので、二次的に、歪んだなりにバランスを取るため、時間差で体の他の部分が大きく歪んでしまいます。

これがけっこう曲者で、事故から半年後とか一年後などに症状として出ることも少なくありません。

事故や何かの原因で衝撃を受けたような時には、もし何も症状が出ていなくても、なるべく早く治療を受けることが大切になります。

体の使い方の癖で歪む?

これは基本的には「一定姿勢」や「同一作業」と同じですが、本人の自覚がないと言うことがほとんどです。

体の使い方にはそれぞれ、人により癖があります。
右利き、左利きもその一つです。
その方の姿勢や作業とは別に、同じ作業やスポーツをやっていても人により体の使い方が違います。

この癖の強い人は、顔を見なくても歩き方や仕草だけで本人だと分かります。
スポーツなどで、特徴的な体の使い方をする選手を良く見かけます。
この様な癖のある動きを長年続けているだけでも、歪みの原因になります。

この歪みは年齢を重ねるごとに強くなり、また本人の生まれながらに持った癖も多いのでなかなか自分では改善しづらい(戻りやすい)歪みでもあります。

これが、定期的なトレーニングや治療など、体の手入れが必要になる大きな理由の一つです。

ストレスで体が歪む?

人間の体は、肉体的にも精神的にもストレスがかかると、体を防衛しようとして筋肉が緊張します。

この防衛反応はとても優秀で、少しのストレスでも筋肉を緊張させて体を守ろうとします。 しかも、本人の意思とは関係なく働きます。

そして、同じストレスが繰り返されると、アレルギー反応のように過敏に反応するようになってしまいます。
ですから、少しのストレスでも過剰に反応してしまい、ちょっとしたことで具合の悪なる方もいます。

このちょっとしたストレスというのは、本人もストレスと感じていないことも多く、日常的なことなので見過ごしてしまいがちです。

これが積み重なると、自律神経失調症うつ病などの原因にもなります。

※ちょっとしたストレス
人に会う、電話が掛かってくる、と言った些細なことでもストレスになることがあります。
特に、以前大きなストレスが掛かった経験のある、同じような事態に会うと過敏に反応しやすくなります。

筋肉の緊張は、特に首周りに強く症状が出ます。
これは、首には生命を左右する中枢(呼吸・心臓運動・血管運動・嘔吐など)があるため、他の場所よりも過剰に反応するからです。

首の緊張が強くなるとどうなるか?

筋肉が緊張して首が縮むように圧迫され、椎間板がつぶされ、神経が出てくる穴が狭くなってしまいます。

そうすると、それをかばうために首や肩がこり、ひどくなると椎間板ヘルニアや神経痛、頭痛、吐き気まで出てきます。
また、眼精疲労、花粉症、鼻炎などの原因にもなります。

ストレスは筋肉を緊張させ、歪みを作り、神経の出口を圧迫し、様々な症状の原因になります。
ほとんどの病気の原因はストレスが関与しています。治療を第一に考えています。

感情で体が歪む?

感情の起伏で体は歪みます。
というより、その方の心の持ち方の癖で、体の歪みの癖ができます。

つい怒ってしまったり、すぐに落ち込んでしまう。
などの、心の癖を持っていませんか?
私は持っています・・・誰でも心の癖があると思います。

中国医学では七情と言って、感情を怒・喜・思・憂・悲・恐・驚の七つに分類する考え方があります。
怒は肝を傷(やぶ)る、喜は心を傷る・・・などと言い、その刺激は内臓に影響を与えて疾病を引き起こす原因とされています。

怒った時、喜んだ時、悲しんでいる時など、全て体の使い方が違います。

例えば、悲しい時には背中を丸め、うつむきかげんになっています。
こんな時に、胸を張って堂々としている人はいません。

背中を丸め、うつむいた状態で大笑いしてみて下さい。
なんか不自然じゃないですか?

背中を丸めていては、心から「アッハッハッ」と大笑いはできないと思います。
笑えたとしても「イッヒッヒッ」になってしまいませんか?

今度は逆に、背筋を伸ばして堂々と悲しい顔をしてみて下さい。
これもうまくできませんよね。

感情によって体の使い方が違ってきます。
と言う事は、使う筋肉もかたよってしまいます。
これが、感情の違いによって歪みの出来る原因です。

「ハッハッハッ」、「ヒッヒッヒッ」、「フッフッフッ」、「ヘッヘッヘッ」、「ホッホッホッ」、ハ行は笑う時の声です。
できれば、「ハッハッハッ」と笑えるように心掛けたいものです。
「笑う門には福来る」、自然治癒力が高まります。

内臓が悪いと体が歪むの?

内臓が悪いと、内臓自体の動き(自動力)が悪くなってしまいます。
そうすると、動きが少ないので周りの組織(他の内臓や血管、筋肉など)と癒着しやすくなってしまいます。

癒着や動きの少なくなった内臓は、他の組織との滑りが悪くなるのでお互い引っ張り合ってしまいます。
内臓は胸部・腹部にギッシリ詰まっているため、一部分の動きが悪くなってもバランスを崩してしまいます。

そうすると、骨格筋を引っ張ることになり、体のバランスまでも崩してしまい、歪みの原因になってしまいます。

内臓の動きを良くしておくことで、様々な疾患を予防する事ができます。
ですから、食事、特に冷たいものや刺激の多いもの、また、大食い、早食いに気を付けた方が良いです。

気候で体が歪む?

気候で体が歪むなんて言うと「なんで?」って思うかもしれませんが、歪みます。

四季の移り変わり、温度や湿度、風、気圧の変化は体に影響を与えます。
風に長くあたっていたり、湿度が高い時、また気圧が低くなる時など、体調の変化を感じたことがありませんか?

体の弱い方、敏感な方、また体が疲れている時の方が体調の変化を感じられると思います。

これは、それぞれの気候の変化から体を守るため、ストレスのところで説明した通り、体を歪めてしまいます。

気候の変化は肉体的ストレスになります。

事故や何かの原因で衝撃を受けたような時には、もし何も症状が出ていなくても、なるべく早く治療を受けることが大切になります。



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